ノイズ | ナノ


今日は新しいクルーがローさんの船、ハート海賊団に仲間入りを果たした。狙撃手で、あたしより弾は確実に相手に当たるし、とにかく体力がある。ローさんもこれには気に入ったらしい

そんなで宴をする。あたしが能力「ソング」を使い、場を盛り上げて酔った皆はぎこちない動きで踊る。ローさんにはこんな事で能力を使うなと怒られたが、適当に返事をして、楽器を持って音楽家の皆と演奏した。ここ最近ハーモニカを練習して、やっとうまくなってきたところだったから、時たま戦闘員から音楽家に変わる。


「ナマエさん」


新しく入ったクルー、ワークがあたしの隣に腰かけて「お世話になります」と丁寧にお辞儀をした。つられてあたしもお辞儀をすると、20代のワークはそれに似合わずのはにかんだ笑い顔が生まれた。お酒には強い方なのか、先程からたくさん飲まされているにも関わらず少し顔を赤らめているだけの状態だ。ローさんはあまり話さないクルー達と飲んでいる


「船長とナマエさんの出会いってどんな風だったんですか?」


好奇心旺盛な小さい子供みたいにあたしに質問をした。「特にってわけじゃないけど…とりあいず始めは成り行きだったかな」ワークは納得のいく表情で顔を上下に揺らした。


「さっき口笛吹いた途端皆踊り出したけど、あれなんですか?」


さっきから質問攻めのワークに、途中割り込んできたキャスケットが、あたしの能力を話しはじめた。酔っているせいもあって、性格に話せていない部分もあったがそこをいちいち説明するなんてめんどくさくてできないので何も言わない。この時、あたしはワークの異変に気づく。



「いいか?シャボンディ諸島に天竜人がいるらしい。天竜人に会ったら意地でも頭を下げろ。」


ローさんがあたしに向かって言った。うなづくと、ローさんはあたしを連れて部屋にいくと、一つの銃をあたしに渡した。「必要な時に使え。お守りになる。それとおれから絶対に離れるな」ローさんと二つ約束をして、見えてきた島に、キャスケットが叫んだ。部屋から出て、周りをズームを使い見てみるが、この海賊船の他はないようだ。


「おいワーク。いいコーティング屋を捜せ。そこのお前とお前、船番をしろ。あとの奴らは武器調達。ナマエ、ベポ、キャスケット、ペンギンはおれと一緒について来い」


心なしか、ローさんは楽しそうだ。ワークを見てみると、ちょっと悔しそうな顔をしていた。


「ナマエ」
「アイアイ」
「持ってろ」


ローさんに渡されたのは、ローさんの刀だった。
お互い笑い、そしてお互い歩き出す


「いくぞ」


ローさんが言うと、皆一斉に動きだした。あたしは海軍と聞いて、あの黄猿を頭に思い浮かべながら綺麗なシャボンディ諸島のシャボン玉を見上げた。ローさんがたまに口に出していた「新世界」を想像する。
ローさんに渡された刀を持ちながら、改めて本当にハート海賊団のクルーになったことを考える。うれしいとかそうあう気持ちよりも、大切なものを護るのを奇跡に思えてきてならなかった

本当に改めてだった。急に思った。


「ナマエ」


綺麗な顔でローさんはあたしの名前を呼んだ