ノイズ | ナノ


「キャプテ〜ン!ナマエ〜!」


声のした方を見ると、ベポ、キャスケット、ペンギンがこっちに向かって走ってくる。一瞬ドキリと胸が打った。うん、大丈夫。そう自分に言い聞かせて、3人に笑いかけた。3人は一瞬戸惑ってあたしに手を振った。ローさんがあたしから離れ、近くにいたキャスケットを殴る。


「いいとこだったのに」


キャスケットが土下座してローさんに謝った。「そんな事よりも!」ベポがローさんに「海軍の船が近くにあるんだ!早くこの島からでなくちゃ!」あたしはキャスケットを立たせて、時計台を確認する。もう少しでイチ地区とニ地区の時間が止まる時間だ。ここはゼロ地区、時間は止まらない。「走るぞ!」ローさんが走る。キャスケットがあたしの手を引いて走った。


「行こうぜ」


「うん」あたしは笑った。ピタリと、隣のイチ地区が止まった。キャスケットの手を払って、周りの建物に「ネット」を張る。これであたし達は時計台の周りにいる海軍には追いかけられない筈だ。「早く!」キャスケットがあたしを急かす。謝って、またキャスケットの手を取った。


「キャプテンに怒られるぜコレ」
「フルボッコ決定?」
「ナマエ!キャスケット!何してるんだお前ら…」
「何って…手を…」


キャスケットの顔が青ざめるが、手は離さない。それになぜがすごく安心した。まだ、まだ船に笑顔で戻れそうだ。何も怖がることなんてなかったんだ。

船が見えてきた。少し先に走っていたローさんに海軍が銃や剣を向けて走ってくる。ベポがそれを追い払っていると、ローさんがあたしに先に行けと言った。そんな、船長を置いて先に船に乗ることなんて出来ないし、まず礼儀がなってないじゃないか。ローさんの隣に立って空に腕をあげる。


「ナマエ…先に船に乗れって、」
「なんで?」
「なんでって…もう大丈夫か?」
「最初から、大丈夫だったもんね」
「…そうか」


海軍が走ってくる。キャスケットは先に船に乗ったようだ。ローさんがキャスケットに対して舌打ちし、「今日の晩飯のデザートは抜きだな」あたしには先に行けって行った癖になんでキャスケットの時だけそういう事いうんだろう。とりあいずローさんとキャスケットのやり取りは見てて飽きないけど


「ランス!」


十分引きつけた海軍に空からの攻撃をやってやる。だいぶ数が減ったな「よし、行くぞ」そうしたら、また海軍の船からぞろぞろと下っ端がたくさん出てくると、ローさんがさっきしたように舌打ちをしてあたしの手を取って走る。


「さァて…航海するか?」
「うん!」
「よし、このままシャボンディ諸島まで急ぐぞ!」


ローさんが先に船に乗る。「ホラ」ローさんがあたしに手を伸ばし、あたしはその手をがっしり掴んでやった。同時にローさんがきれいに笑う。ぐっとローさんの細い腕があたしを持ち上げて船に着地、海軍の船とローさんの船が大砲を使って戦っている。近づいて「ランス」を使うと、大砲を海へ落とした。


「出航!」