ノイズ | ナノ


今何を恐れてるのか聞かれれば、あたしは即座に海軍の黄猿の発言だ。また黄猿に会えばあたしのことを海軍の人間だと言うだろう。そんな事皆が知ったらあたのこと、嫌いになるに決まってるし、海軍に渡されるだろう。皆に対して恐怖というものが生まれてきそうだ。

身体がアツイ


「皆には言わない。」


ローさんが口を開いた。思わずぶわりと涙がでた。嬉しさと、バレたら大変だという対比した二つの思いが涙となってでたのだ。あたしはおかしいだろうか。立ち止まり、涙を拭くとローさんがあたしの頭を優しく撫で、「おれ達だけの秘密だ」ローさんはあたしを嫌わない?いつもと同じ様に接してくれる?わからない、わからなくなってきた。でもローさんに撫でられた頭は暖かい。


「うん」
「だがな、これからの航海が怖いなら海軍の人間になった方がいい。きっと殺さ
れないですむ」


航海が怖いわけじゃないんだ。人間が怖い。あたしに近い人間が、怖い、だけで、
頭からローさんの手の感触がなくなって、次は身体全体にローさんのあたたかさを感じる。背中に回された腕が強く、きつくあたしを抱きしめる。


「仮にナマエがそっちに行ったとしても、おれは助けにいくが」


ローさんが笑う。
そう、あたしはこの笑顔を護ろうと決心して、クルーになった。


「それに、ナマエが海軍のなんたら言って、ベポ…、いや、おれのクルー達はお前らを嫌ったりなんてしない。みんな、ナマエ、お前が大好きなんだ。もちろんおれも、お前が好きだ」