ノイズ | ナノ


この南側の表は裕福な生活で溢れているのに治安が悪い所はすごく悪い、というか小さい島だけどそれなりの島だ。路地裏にはゴキブリがそこらを走り干乾びたムカデ、異様にでかい寄生虫、言えば言うほど気持ち悪くなる。食事中にこんな事を思うと、ちょっぴり気持ち悪くなってサラダからフォークを抜いた。


「ローさんってさ、」
「ローでいい」
「でローさんってさ」
「……なんだ?」
「強いんですか?」


ローさんがあたしの顔をじっと見て笑った。自信に満ちた笑い顔であたしのフォークを取ってお皿にのっていた生ハムをさして、食べる。「ああ!」ローさんが笑って「2億だからな」と言いきった。


「二億…!?」
「ああ、二億」


まさか、二億の賞金首があたしの向かいに座っているなんて。あたしがローさんを殺せたら、二億、あたしの元にやってくるのだろうか。「殺すなよ」「えっ」心の中が読めるのかこの人は。少なくなったコーヒーを飲みほしたローさんが新聞を畳み「お前に聞きたい事がある」「なんですか」少し真剣な目をしてローさんはあたしに問うた。


「ナマエ、お前の賞金額は」
「あたし?あたしはないです」
「…海賊じゃないのか?能力者だから海賊だと思ったんだが…違うのか。ならクルーになる事ができるな」


まだあたしを海賊にさせようとしているのか、溜め息をついて断ろうとすると、いきなり体に衝撃を受け、「ぐえ」と声を漏らすと、ローさんが「なんだガキ」とあたしの隣を見て言うので、あたしも隣に首を曲げてみると、そこにはあたしに幼い男の子がひっついている。「?どうしたの?」


「お願いがあるんだ!」
「依頼?」
「そう、なんだ…、母さんが、倒れて、医者に診てもらったらミリハル草なら助かるって、」
「ミリハル…それって北側の森にある…」


男の子が段々涙目になってくる。しかし、北側にある薬草を摘むのはいけない事なのだ、難しい。それにミリハル草はなかなか見つけられない珍しい薬草、見つけるのも難しいし、生えている場所を特定するのも難しい。とにかく一言で言えば、無理、
しかしこの男の子の目を見ていると、そうも言っていられないような気がした。あたしは笑って「わかった」と言い、「お礼は、何でもいい」オーナーに「ここにお金置いておきますから」と言ってお金をその場に置いて、男の子の頭を撫でる。あとでローさんからお金貰おう


「探してあげるから、三日間期間ちょうだい。それで、三日後の夕方、ここに来て。さ、早く帰りな。未成年の依頼は受けないって決めてるんだけど、ね。」