「ローさん、」 ナマエが顔を隠す。なんだ、照れる時も可愛いじゃないか。…も?何考えてるんだおれは。前から、別にナマエを可愛いなんて思った事なんて無かった、よな。 なんて思ってたら妙にムラムラしてきて、自分の単純さに苦笑いをしてしまう。ナマエは純粋、処女、ユースタス屋じゃなく、おれを取った。そう考えるともっとムラムラしてきて、我ながら恥ずかしいが下の方も敏感になってきた 「お前、かわいいな」 「……ロー、」 「名前呼ぶのは喘いでからに、」 「…どいて下さると嬉しいです…」 今更どけるか。もうここまできたんだ。こんなチャンスを逃す男がどこにいる。別に今日という日を待ち望んでいたわけではないが、今日のおれは運がいい。 ヤる相手を多少愛していなくとも、少しは愛すことはできるし、相手はナマエだ、もしかしたら、 「お腹、空いた」 一瞬にして、今さっきの感情が崩れ出すと同時に恥ずかしさがおれの身体全体を支配する。理解不足だった。ナマエはまず、キスだってまともにしてきて無い訳だし、こんな事してきてない訳だ。まあ普通はドキドキするものなのだろうが、おれ一人ムラムラドキドキしていて、アホかおれは * 「ホラ、買ってきた。」 「わーい!ありがとうローさん!それにしてもお腹が悲鳴あげなくてよかったー。あの部屋音響きそうなんだもん」 自分を殴ってやりたい。恥ずかしい、情けない、もう男としてやっていける自信がおかげ様でなくなるかもしれない。「ローさん、あたしのキス美味しい?」ナマエの為に買ってきた食べ物の袋を落とすと、ナマエは顔を青ざめておれを叩く。 痛さなんて、感じない 「うまく、ねえ」 「じゃあなんであたしにキスしたの?あ、このパン美味しそう」 ナマエが一番幸せな顔をする時は、食べ物を食べている時だ。「ローさんも食べる?食べたそうな顔してるよ」食べたそうな顔してるわけあるか。お前食うぞ、この天然ボケばか野郎。人の気持ちを踏みにじりやがって。まじ、お前食うぞ。 「初キスはレモン味っていうよね」 「死語。」 「えっ、死語なのっ…!」 体が先に動いた。ナマエの首筋に歯を立てると、パンが落っこちる。一方ナマエは声を出そうにも出せない状態だ。顔を下に向けるのが精一杯らしい。 あーあ、何やってるんだおれは。情けない。もっとちゃんとベッドでやりたい 「ローさん…、吸血鬼だったの…?あたしも吸血鬼になっちゃうよ…」 「…ナマエ、お前…」 やる気が一瞬でなくなった。ナマエが首から血が出てないか確認して、血が流れてないのがわかると、安心した溜め息を出す。 「ローさん吸血鬼かと思った…」 「あほか」 まさか、そんな、そんな訳がない。ナマエは色気なし、鈍感、おまけに天然、そんなお子ちゃまに、 まさか、そんな筈ない ◇ |