随分船は移動したと思う。見慣れない海溝、小島、鳥、海王類、みんなはのんびりと剣を振ったりトランプで遊んだり。それをあたしは隅っこづ眺めていると、ローさんが両手に飲み物を持って近づいてきた。「つまんねぇか」まあそりゃあつまらないです。くつくつとローさんが笑った。笑うとこじゃなくない?ローさんが渡してきた飲み物はオレンジジュースだ。どこまでもあたしを子供扱いして… 「島、ないですね」 「ああないな」 「みんな、自由に遊んでますね」 「ああそうだな」 まともな会話したい。オレンジを一口飲むと、ローさんは豪快に隣に腰を下ろした。ローさんのはただの水みたいだ。また一口「キャプテン、かなり遠くの方に島らしきものが」「何日ぐらいかかりそうだ?」「大体…4日くらいかと」「のんびり行け」「わかりました」 次の瞬間船がぐらりと動いた。 「わっ」 「海王類…か……」 「どうしたの、ロー…ーさ、んあ?」 体が痺れてきて、もう動かない。倒れ込みそうになるのをローさんが止めてくれると同時にローさんも目が虚ろになってきた。動きにくい首をう後ろに向けると、大きいタコがいるではないか タコの腕が伸びてきた。ローさんを抱かえて逃げようとすると、いとも簡単にタコの太い腕があたしとローさんを締め付ける。その瞬間ブラックアウト * 「おい、ナマエ、起きろ」 「…ぶっ、わあああ!」 「うぐっ」 顔面を抑えるローさん。当たり前だ。目が覚めたらいきなり顔があるんだもん、しょうがない。「あれ」ここどこだ。上の大きい木をみると、どれもこれも妙な形をしている。 服についた砂を掃って「どこだろうね、ローさん」「さあな」怒っていらっしゃる! 「さて。ああ顔面痛い」 「ご…ごめんなさい」 ◇ |