ノイズ | ナノ


おかしな夢を見た。あたしとローさんがいて、あたしは汚い水たまりになぜか裸足でそれの中にいる夢だった。後ろのローさんは何も言わずにあたしを見ていて、あたしも何も言わずにローさんを見ている。本当におかしな夢だった。これで夢は終わって、目を開けると、机に座っているローさんの後姿が見えた。あれ、そういえば、あたしあの後寝ちゃったんだ。起き上がって「ローさん」と呼べば、本を片手にあたしを見た。
その瞳、夢で見たよ


「おはよう」
「おはよう、ございます」
「そういえば新聞届いてた。それから…まあキャスケットにアレ見せてって言えば見せてもらえるだろうから行ってこい」
「?話が全然見えないんですが」
「行けよ」


面白いから。ニタリ、と笑うローさん。はあと返事してドアノブに手をかけるとクックックとローさんが笑うのをあたしはなぜか恨んだ。「キャスケット!」ローさんの部屋からそそくさと出て行って、キャスケットの元へ行くと周りのクルー達がこっち来てみろ、お前すげーなー、何がすごいんだろう。正式にクルーになったからか?いやでも違う。こんな理由で凄いなんて言われるはずがない


「何?ローさんが言ってたんだけど、面白いものって、」
「いやいや面白いどころじゃねえって!コレ見ろ!」


キャスケットが見せてきたのはあたしの写真がある、一枚の紙。下にはゼロがたくさんの、1億8000万ベリーと書かれている。キャスケットの顔を見ると、なぜか親指をぐっと立たせて「やったじゃねえか!」何がやったんだ


「これでお前も1億越えのルーキーだな!」
「なにそれ、すごいの?」
「そりゃあすごいってもんじゃねえよ!まず1億越えなんて化け物揃いだぜ」
「へー……なんかよくわかんないな」


1億越えという事は、ローさんもそのルーキーとかなんとかにはいってるんだろう。キッドは、どうだろう。賞金首の額なんて聞いたこともないし、きっとあたしが1億越えのルーキーになったなんて知ったら、キッドは失神しそうだ。

でもあたしは別に身体能力なんてきっと他の人たちに比べたら下の下だろうに。こんな勝手に1億越えされちゃあ困る。もうちょっと身体能力あったら、まあ少しは


「あたし弱いのによく1億越えするよね。」
「いやお前十分強いと思うよ?俺達より絶対強いって」
「でもきっと身体能力はキャスケットってか、ここの船の誰よりも下だと思うし」

「じゃあベポと手合せしたらどうだ?」


あくびをして、ローさんが新聞をあたしに渡した。別にあたし新聞の読むところなんて4コマ漫画ぐらいなんですけど。キャスケットが「そりゃあいい」なんて勝手に言うから、ローさんがベポを呼んでしまった。ベポが遠くから走ってくる。あたしベポとなんて戦ったこと、ないんですけど!


「今から手抜きなしで組手してもらう」
「アイアイ!で、誰と?キャプテンと?」
「いや、ナマエだ。」
「えっナマエと!?…わかった!」


おいおいまじかよ。