糞海軍、ローザ少佐が振り返る。「なんだあ?」がっしりした体つきのローザ少佐の腰には大きな棍棒があった。海軍、軍っていうぐらいだから銃でも使うんだろうと思ったけど、地位が違ければ持っている武器が違うんだ。 「誰だ貴様ぁ!」 「ををを!」 ドンドンドン、ローザ少佐の後ろから銃が撃たれる。後ろに下がると、ローザ少佐があたしに向かって突進してきた。何か秘策があるのだろうか。すぐに殺してしまおうか。それともおかしな頭を治してあげようか。 「海賊か何かか?女がオレに刃向うなんて度胸がある女だ。」 「海賊じゃないよ」 「海賊じゃない?」 「旅行者だ、よ!」 「スピード」ローザ少佐に向かって能力を軽く使うと、ローザ少佐の動きが一瞬遅くなった。ローザ少佐が棍棒を持とうと左手が動く。それを防止しようと左手に腕が伸びる、がそれをローザ少佐の右手があたしの腕を掴んだのだ。 「いった!」 「おいおいお嬢さん、」 「ばいばい」 ローザ少佐の額に人差し指を突いた。これで何人殺すことになるだろう。もう体が、危険だと思ったら殺せと、あたしに命令するのだ。少しだけ息を吸う。前は戸惑いもなく殺せたのに、息を、吸う。 「デス」 ローザ少佐が倒れると同時に、喫茶店からも向かいの飲食店からも、歓喜の声が聞こえた。おーおーと人間じゃないような声をだしていたり、泣いていたり。なんでだろう 「……!」 心臓が痛い。思わず地面に着いて体がうずくまると、ローさんが喫茶店から出てきて、あたしの前に膝をつき「大丈夫かナマエ」と肩に手を乗せた。それさえも何故か体に響いて痛い。腕が痙攣している。 「どうした?」 「なん、でも…ない」 「…そうか。立てるか?」 ローさんが腕を持って立たせようとするが、どうしようもなく痛くて思わず涙が出た。『デス』を使いすぎた、だから痛い。寿命が縮まるだけだと思ったのに…。もしかしたら寿命が縮まるんじゃなくて、 ◇ |