綺麗なグサリ、という音が隣から聞こえた。あたしからじゃない、隣のおじさんからだった。おじさんは「う、」と言って崩れ落ちる 「おじさん?」 「なんて、こったよ」 * 酒場に向かう途中なんでかわからないが胸騒ぎがした。ローさんになにかあるのだろうか、それともキャプテンキッドがあたしを追いかけてやってくるからかはわからない。 やっぱりここから逃げよう、そう思った瞬間おじさんがあたしの腕を引っ張って物陰に隠れた。 海軍、そうおじさんは言った。ローさんも度々口にしていた名前だ 「お嬢ちゃん、海軍をしらねえのか」 「うん。その名前を聞いたのはついさっきだし見たことも何をしてる人なのかも知らないの」 おじさんは驚いた顔を見せ、少しずつ笑みに変わってきた。「本当に面白いな」 * 「お前は…」 「よかったねーお姉さん。死ぬとこだったよ?」 金髪の男が刀をあたしに突き出してきた。あたしがそれに動じないとくすくすと面白そうにあたしの頭を撫で「君みたいな可愛いげない女は大嫌いだ」そういって首に軽く傷をつけつきた。 「…いったいな」 「もっとやってあげようか、お姉さん」 「きっとあんたの方が年上だよ…!ランス!」 「っとあぶねー!」 避けられた。あたしの攻撃は結構速いと思ったんだけど、そううまくはいかないらしい。 こういう時はどうすればいいんだろう。こんな場面直面した事ないからわからないな。いっそおじさんをほっといてあたしだけ逃げるか、 「賞金首も対した事ないなあ。それにお姉さんは能力者、いいねえ」 「嬢ちゃん逃げろ」 「オレは5000万ベリーだけどね、ほんとはもっとあるんだよ、わかる?」 「嬢ちゃん逃げろ!」 「楽しいなあ。女斬るのは」 さて、どうしようか。 「まずは腕でも」 遠くでおじさんの声が聞こえる。シールドでも出そうか、でも時間がかかる、間に合わない。仕方ない腕一本ぐらいなら… さっと、あたしの目の前にあたしが見たことある男が身を乗り出してきた 「リペル」 「!」 金髪の男が吹き飛んだ。 「キ、キッド」 「ようナマエ。また会ったな」 ◇ |