気分が悪い。お腹の赤ちゃんが死んで、笑う人が、どこにいるというんだ。 「よし、少し時間がかかると思う。外に出てぶらぶらしてていいぞ」 「…あ、そう?じゃあ、そうさせてもらうね」 ローさんの顔が外に出てくれ、そんな顔をしていた。 * レオは邪魔にならないようにいる、だろうか。段々夕日が海に沈んでいく。町は相変わらず賑わっていた。あたしがいた島はこんなに人口もいなかったし、こんなに賑わっていなかったから少し羨ましい気がする。 今のあたしに叫び声は苦手、聞けばイライラした。なぜだろう。八百屋で大声を出すおじさん、その他もろもろ、なぜだろう、イライラした。大きな音にもイライラした。うるさい。うるさい、うるさい うるさい 「ナマエ…?」 何だろう、何だかとても胸が苦しい。ローさんがあんな顔したから、だと思う。 「ナマエ!」 「…う、ぎゃあああ!!」 「はっ!そんなに驚かなくてもいいだろ?」 「キキキ、キキキッド!」 まさかあたしの目の前にいるのはやはり、本物で、 「久し振りの再開が嬉しいのか?」 「ううう嬉しくなんかない!あ、そうだロー、…」 今は絶対だめだ。ローさんは今、子供を堕ろしてるんだ。逃げようと頼んだって、無理に決まってる。むしろ頼りたくない、頼れない。 「…ん?そのピアス、誰のだ?」 「え?あ、これは」 「おれがやったピアスはどうした?もしかしてそれは、お前の男からもらったものか」 「ち、ちが、」 「違うんなら外しておれのつけろ」 なんだか怒ったような口調だ。 ◇ |