ノイズ | ナノ


気分が悪い。お腹の赤ちゃんが死んで、笑う人が、どこにいるというんだ。


「よし、少し時間がかかると思う。外に出てぶらぶらしてていいぞ」
「…あ、そう?じゃあ、そうさせてもらうね」


ローさんの顔が外に出てくれ、そんな顔をしていた。





レオは邪魔にならないようにいる、だろうか。段々夕日が海に沈んでいく。町は相変わらず賑わっていた。あたしがいた島はこんなに人口もいなかったし、こんなに賑わっていなかったから少し羨ましい気がする。

今のあたしに叫び声は苦手、聞けばイライラした。なぜだろう。八百屋で大声を出すおじさん、その他もろもろ、なぜだろう、イライラした。大きな音にもイライラした。うるさい。うるさい、うるさい

うるさい


「ナマエ…?」


何だろう、何だかとても胸が苦しい。ローさんがあんな顔したから、だと思う。


「ナマエ!」
「…う、ぎゃあああ!!」
「はっ!そんなに驚かなくてもいいだろ?」
「キキキ、キキキッド!」


まさかあたしの目の前にいるのはやはり、本物で、


「久し振りの再開が嬉しいのか?」
「ううう嬉しくなんかない!あ、そうだロー、…」


今は絶対だめだ。ローさんは今、子供を堕ろしてるんだ。逃げようと頼んだって、無理に決まってる。むしろ頼りたくない、頼れない。


「…ん?そのピアス、誰のだ?」
「え?あ、これは」
「おれがやったピアスはどうした?もしかしてそれは、お前の男からもらったものか」
「ち、ちが、」
「違うんなら外しておれのつけろ」


なんだか怒ったような口調だ。