ノイズ | ナノ


ローさんの自室のドアを2回ノックして「ローさーん?」と言えば数分後「なんだ」と返事が返ってきたので部屋に入れてほしいと言えばまた数分後「だめだ」と断られた。ふふん。いいもんね。勝手に入ってやる。


「クリア」


ドアを触れば、ドアが透明になっていく。ローさんがそれを見て目を丸くさせた。そりゃ丸くさせるよね!あたしがそのままローさんの自室に入れば透明になったドアは元通り、茶色のドアに変わった。


「能力か…」
「何してるの?」
「いや別に…」


読んでる本をパタンと閉じてローさんはあたしと向き合った。ローさんが笑う。あたしもそれに応えるように笑う


「楽しいか?おれの船は」
「まあ、楽しいよ。途中で乗り込んだあたしにみんなは快く受け入れてくれて」
「そりゃあよかった。にしても…つなぎ似合わないな」
「むかつく…服が濡れたんだもん」
「髪もだな。拭いてやろうか」
「いい!」


完璧あたしで遊んでるよねローさん!振り返ってローさんの自室を出ようとしたらがしっと、あたしの肩がローさんの手によって掴まれている。動けない。ゆっくりローさんを見てみるとニヒルな笑いであたしを見ている。なんだなんだ


「お前、このままおれが見逃すと思うか?」
「?……?何を?」
「…お前を」
「何に見逃す?」
「……おま…天然か?それとも知らないのか?」
「なにを?」


ローさんが額に手を当てて大笑いしてイスに座った。あたしなんか面白いことしたかな。


「まいったな」
「え?あ、勝ったのあたし」
「そりゃあの島じゃ年老いた男しかいなかったからな。しょうがねえ」
「若い人もいたよ」
「処女か」
「処女ってなに」


またローさん目を丸くする。不思議生物をみたようにあたしを上から下まで見た。「ねえ処女ってなに」と押して聞けばローさんがイスから立ち上がってあたしに近付いてきて「教えてやろうか」ローさんがあたしの耳元で呟く


「ちょ、ちょっとローさん」
「何だ。教えてほしいんだな?」
「わっ馬鹿離して!」
「ぶっ」


バチーンといい音を出してローさんの自室から出て行った。みんながあたしを見て「強い…」と呟きあたしから遠のいた。「え?なに?」「いや別になんでも…」なぜ目を反らすんだ「なんかお腹空いたなー」