ローさんは強い。あんな大きな黒い玉を割ってしまった。割った後、あの綺麗な笑い方してあたしを見た。強いんだ、この人。さすが2億ベリーだ。周りのみんなが慌ててローさんに平謝りしてる。あたしにも謝ってきて、あたしは困る。あたしなにもしてないのに。 あの島、あたしの故郷は今、何しているんだろう。まだ北と争い事してないといいんだけどな。 「あと一週間ぐらいしたら大きな島に着く。ナマエがその島に降りたいそうだ。だから降りる。拒否権はねえぞ。一応てめえらに伝えておく。」 ローさんがみんなに聞こえるように大声で言った。いえっさーからおっす!までいろいろな声が大声で聞こえてくる。 「よし。おれは魚でも釣るか」 「魚釣り?あたしもしたい!あたし魚釣りうまいんだよ!」 「そうか、ベポ!お前もするか?」 「アイアイキャプテン!」 ベポが竿を持ってきてあたしに渡してくれた。ローさんが「勝負するか」と言ってきて「しよう、かな」と返事を返した。あたしが餌をつけてるとローさんがもっとうまい付けたがあると教えてくれた。ベポが「おれにも教えてくれないのにー」とふてくされている。かわいいなあ。 「ナマエ限定だ。限定」 「じゃあナマエ教えてよー」 「いいよー」 「教えんなよ」 ベポが叩かれる。「何でおれ!?」と涙目でローさんを見るベポ。子供みたいに綺麗に笑うローさん。 あの島の事を完璧に忘れたとは言えないけど、追放されちゃ仕方ないよね。もう忘れることにしよう。もしかしたらこのまま旅していれば、忘れられるかもしれないしね ◇ |