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土方歳三と和泉守兼定


漆黒の長い髪を揺らす後ろ姿が流石、本来の主とその主の刀だと感じられた。それ程までに二人の後ろ姿は似ていて、けれどもしっかりと目を凝らせば少しだけ異なる部分も見つかるのだから面白い。

「例えばさ、歳の方が少し姿勢が前のめり」
「あ?」
「で、和泉はふんぞり返ってる感じ」
「それは褒め言葉として受け取るべきだろーな」
「姿勢の良し悪しなんざ関係ねぇ、要はこいつが使えるか否かだ」
「それは主が一番知ってんだろ、な?」
「だとよ、歳」
「ふ、その通りだ。お前の切れ味は俺が一番知ってるぜ」
「だろ、伊達にあんたに仕えてねぇってことだ」

肩を震わせて笑う様はそっくりだった。一つに結われた漆黒と、流されたままの漆黒。互いのものと同じ色のそれを揺らしながら、振り返る様を見ることが好きだ。