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原田左之助


ふあ、と洩らしそうになる欠伸をなんとか噛み締める。俺の目の前で雑誌を捲る左之助はちらりと視線を寄越した後に再度雑誌へと向き直る。ふ、と口元が緩んでいるのが分かり、こちらも吊られて頬が緩んだ。互いに無言のまま室内には窓の外で鳴く虫の音だけが響いていた。つまらない、なんざ思う筈がない。これが俺と奴との日常だから。