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沖田総司


「あー、風呂入れねえなこれじゃ」
俺の呻き声に読んでいた雑誌から顔を上げる総司。なんで、なんて分かりきった答えを投げ掛けるもんだから投げやりになって「雷」と一言だけ返した。人は見かけによらないよね本当、と肩を竦めて言う総司と雷鳴の度に肩を跳ねさせる俺。

「どうすっかなあ」
呟いた声は聞こえず、何故かと考えれば俺は総司に抱き寄せられてた。普段と逆だろ、とかはこの際スルーする。

「総司」
と呼び掛ければ何とか聞こえた返答が妙に優しくてなんか俺すげえ幸せ、と思った。

「僕の鼓動しか、これなら聞こえないでしょ」