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加地葵


「葵君ってさ」
俺の声にこちらを振り返る葵君に頬が自然と緩む。なんですか、なんて食器洗いの手を止めて律儀に俺と向き合って続きを促す葵君へと手招きを数回。きょとんと瞬きを見せた後にいそいそと近寄ってきた葵君の耳元で囁いた。

「そうしてると、なんか夫婦みたいじゃね俺達」