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「#幼馴染」のBL小説を読む
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斎藤一


ひた、と。仰向けに寝転がっていれば不意に顔へと何かが被さる。心地好く冷たいそれはどうやら湿らせた手拭いのようで。僅かに吹く生暖かい風も手拭いが湿っていることによって気持ちが良く感じるのだから不思議だ。手拭いの隙間から顔を覗かせればいつの間に来たのか、俺の隣に腰掛けて刀の手入れをする一の姿があった。礼を込めて、背中に垂れた襟巻きを緩く引いて手拭いから顔を覗かせたままに口の形だけで伝えれば。ふ、と一は小さく微笑を浮かべて見せた。