×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -




井吹龍之介


ず、と鼻を啜る音はどちらのか。寒い、と無意識に呟いたそれは夜の空気に白い蒸気となって消えていった。どちらかともなく手を伸ばして、絡めた指。どんな面してんだろうな。興味本意でちらりと隣を伺えば。マフラーに鼻まで顔を埋めた井吹が睨んできた。ばーか、知ってるからな。それ、照れてる時のお前の癖だから。