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奥村燐


燐君、と。不意に意識が戻ってぼんやりとした感覚の後にそう口に出す。返ってくる言葉はなく肩を落としたのも束の間、徐々にはっきりとしてきた視界が捉えたのは自身の左手で、それはベッド脇で突っ伏して眠る燐君の両手に包まれていた。ずっと側に居てくれてたんだ、熱とはまた違った理由で頬が熱くなるのが分かり、俺は俯くしか他なかった。