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井吹龍之介


井吹、と開きかけた口を閉じ、代わりとばかりに手を握ってみた。隣を歩く井吹はひくり、と肩を一跳ねさせた後に訝しげに視線を送ってきた。寒いから、と至極尤もな返答を投げれば、僅かに力の込められた右手に頬は自然と緩んだ。