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井吹龍之介


ポケットに引きこまれた手が握りしめられたのが分かって顔が熱くなる。すこしばかり先を歩くあいつの姿がさっきよりも傍にある気がしてどうにも落ち着かない。手冷てえな、小さく呟かれたその言葉の後に、俺の方を振り向いてへらりと笑うその表情に今度こそ頬の熱が治まらなくなって下を向く羽目になった。