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井吹龍之介


何の脈絡もなしに、隣を歩く井吹の右手を取って指を絡めてみた。時間は午後七時過ぎで人影も疎ら、辺りも暗くて見えないだろうと自己完結をした後にぎゅう、と力を込めた。とたんにぴたりと歩みを止めた井吹は、なんだよ、なんて。決して俺と視線を合わせようとしない井吹に知らずと笑みが溢れた。