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井吹龍之介


寒い、と身体を震わせた龍の鼻の頭は真っ赤だった。まあもうすぐで十一月だしなあ、と返した言葉には返事はなし。どうしたものかと足を止めて後ろを振り返れば途端に逸らされた視線に首を傾げる羽目になる。龍、と呼び掛ける直前。伸ばされた龍の右手は俺の左手を怖々と掴むのが分かった。可愛い奴だな、と綻ぶ頬はそのままに指を絡めればひくりと跳ねた肩に小さく笑いが洩れた。