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井吹龍之介


不意に聞こえた呻き声に視線を落とせば龍が足元をしきりに見ている光景が見えた。どうした、と手に持っていた包みを地に置き龍の傍らに屈み込む。見れば足首が擦れていて、ああ下ろし立てだったからなとちらりと草鞋へと視線を投げた。っし、掛け声と共に龍を背負えばしきりに頭を叩かれた、恥ずかしいなら顔伏せときゃ良いのによ。