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井吹龍之介


龍が好きなんだ、あいつは確かにそう言った。それを聞いた時の俺がどんな顔をしていたのかは、正直思い出したくもない。かあ、と自分でも頬が熱くなるのを感じて咄嗟に俯きはしたものの、その直ぐ後にあいつに抱き締められた。鼻いっぱいに広がるあいつの匂いに頭の奥がぐらつくのを感じた。