一ノ瀬トキヤ

たまには弱音くらい良いんじゃねえの、そう言ったら一ノ瀬は貴方に私の何が分かるんですか、と返してきた。そりゃあ分からねえよな、人様の考えてることなんざ。でも分からないなら分からないなりにやれることはあるんだよ。

「分からないこそ、俺はお前が吐いた弱音について意見を言うこともしない。聞いてもらうだけっつうのはお前の予想以上に楽になるもんだぜ」
そう言ったら一ノ瀬の奴、びっくりしたように数回瞬きして見せた。