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井吹龍之介


頑張ってるなあ、と。初めはそんなノリだった、はずなのに。いつだか彼を見るのが日課となって俺は今日も駅裏のコンビニへと向かう。毎日決まった時間にバイトをしている彼を見て帰路に着く、それをやらずにいればなんだか一日が終わった気がしないのだからそろそろ重症じゃあないかとも思う。だけど、今晩はいつもよか少し帰りが遅くなったせいか、いつもの彼はレジには居なかった。上がっちまったのかなあ、と少し気落ちしながらも毎回買っているいちごオレに手を伸ばした瞬間に重なる手。あ、なんて。どちらかともなく洩らして顔を見合わせればそこにはあの彼が居た。