勝呂竜士
坊、と彼を呼ぶ面々が羨ましいだなんて。俺は口に出せる程彼と親しいわけじゃない。教室ですれ違うクラスメイト、ただそれだけの関係性。これ使い、って。俺が筆記具を忘れた時にかけられたその言葉と、にかっと笑ったその表情に一目惚れだなんて。自分自身に冗談だろ、と問いかけたくて仕方ない。
坊、と彼を呼ぶ面々が羨ましいだなんて。俺は口に出せる程彼と親しいわけじゃない。教室ですれ違うクラスメイト、ただそれだけの関係性。これ使い、って。俺が筆記具を忘れた時にかけられたその言葉と、にかっと笑ったその表情に一目惚れだなんて。自分自身に冗談だろ、と問いかけたくて仕方ない。