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斎藤一


雪が舞い散る中、風に靡く藍色の髪は当時の一を思えば随分と見じなくなったそれ。襟元に巻かれた襟巻きは白でなくベージュ主体のタータンチェックだし、着ているものは当たり前に洋装、かつ指定の制服だ。

「どうした?」
「一のこと見てた」
「……何故?」

当時と変わらない少し堅苦しい口調が妙に馴染む声音を耳にして、思わず再会したばかりの時を思い返せば。そういえばあの時は雪でなく、桜の花びらが待っていた季節だったのだと同時に思い出す。

「寒くねぇの?」
「雪は好きだ。あんたこそ、寒いならもう中に戻るか」

つい、と伸ばした指先で解ける結晶はいくつも一の髪へと舞い落ちてきて。きっと俺にも同じ様に降るそれに一の手が伸ばされるのはきっと直ぐ。



瞳に名残り雪の肖像を描く


Title by Garnet