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第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -




勝呂竜士


 ※女主

お前が作ったんか、しぱしぱと瞬きを繰り返す勝呂君の姿に私の頬は情けないくらいに緩むばかりで。京都の人だから、お抹茶に合うようなお菓子が良いなあと考え始めたのが2月の頭。どうにかこうにか頭を搾って考えたそれが出来上がったのは昨晩遅く。
「勝呂君のことだから、沢山貰うかもしれないんだけどね」
にへら、って。あまり暗くならないように、せっかくのバレンタインデーを楽しめるように。私なりの精一杯の笑顔で伝えれば何故か無言が続いて。
「意味は、聞いても良えんか」
ごく、と喉を鳴らす音が聞こえるんじゃないかってくらいに真剣な勝呂君の姿が直ぐ目の前にあって。
うん、呟いた返事は彼に聞こえただろうか。義理でも、友チョコでもなくて、唯一の、本命チョコ。
「私は、勝呂君が好きだよ」
掠れないように、震えないように、あえて不自然なくらいに明るい声音で言ったものの私の顔にはかあ、と熱が上がってきて。ああ、頼むから黙りは嫌だな、って恐る恐る窺った勝呂君の顔は、


気持ち
(私に負けず劣らず真っ赤だった。)
‐End‐