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芥川慈郎


 ※女主

黙りを決め込む芥川の手を引いて模擬店を見て回る。互いに無言だし空気は重い、どうかしたの、と聞いたところで返答は無し。あーあ、折角の文化祭なのに。洩らした言葉は芥川に届いて居たのか、途端に腕を強く引かれそれまで登っていた階段から踊り場の隅へと追い込まれた。見ればじっと私を睨む芥川、どうしたの本当に。小さく呟けば、ぎゅう、と強く強く抱き締められた。「君が接客してると、他の男が目障りで溜まらないんだCー」口調こそいつものそれだけれど、芥川の瞳は笑ってなかった。