神宮寺レン


現在俺の手を握ってひたすらに廊下を駆けるこいつを俺は何故好きなのか、と自問自答を繰り返すのはもう何回目になるのか。レン屋台見に行くぞ、そう言って俺の手を引いて教室を出たこいつの横顔をちらりと伺えば見ているこっちが恥ずかしくなるような満面な笑顔。男同士、それがちっぽけに思える程には俺もほだされてる、ぼんやりと頭に浮かんだそれは予想以上にすっぽりと胸の内に収まるものだから、俺も相当末期だな、と。一人笑みを浮かべることになった。