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神宮寺レン


「寒い」と言って擦り寄ってくる様は幼い日に見た姿と変わることはなかった。大きくなったな、と決して身長のみを指したわけでもない言葉にあの当時のような笑みを返す姿に俺自身も頬が緩む。伸ばした手がオレンジを撫でるその瞬間、小さく跳ねた声音が向かう先にはレンの大好きな人達の姿があった。肩を一撫で。いってこいよ、と見送った背中は一度だけ振り返った。