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衛藤桐也


衛藤くん、と。呼んだものの何かを言うだとかそんなことは一切考えていなかった。なに、だなんて。読んでいた漫画から顔を上げてこちらに向き直る衛藤くんの髪を、とりあえずと撫でてみれば。ワックス着くよ、と。眉根下げて苦笑された。