奥村燐
燐君、と。呼び掛けに返される音は無く。不思議に思い、隣に腰掛ける燐君へと目線を下げれば。心地好さげな寝息を洩らす燐君の頭が前後に危なっかしく揺れていた。燐君、ごめんね。聞こえないだろうけど、一声かけて。膝へと落ち着かせれば、ふ、と微笑を浮かべたのが分かった。
燐君、と。呼び掛けに返される音は無く。不思議に思い、隣に腰掛ける燐君へと目線を下げれば。心地好さげな寝息を洩らす燐君の頭が前後に危なっかしく揺れていた。燐君、ごめんね。聞こえないだろうけど、一声かけて。膝へと落ち着かせれば、ふ、と微笑を浮かべたのが分かった。