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井吹龍之介


だらしなくも凭れ掛かった頭を躊躇いがちに伸ばされた手が緩く撫でる。触れられる手の感触にゆっくりと瞳を閉じて、どうにか泣こうとしたものの涙は出ない。何も聞かないのか、と。強がりを言ったところで何かが返されることもなく。ただぎこちなく頭を撫でる手がひたすらに暖かかった。