あなたがすき。何よりも。
「ナマエ……、」
手を取って、額をくっつけて。
あ、眼鏡じゃま。
二人同時に思ったみたいで、同じタイミングで眼鏡に手が伸びた。
そばの机に置いて。
「ん、…侑士、…すき。」
「……俺も、」
「もっと、言って?」
(もっと、触って?)
恥ずかしくって、肩をすくめる。
ちゅ、と軽くキスして。
「好き、ナマエ。…好き。」
君が好き。今までのどんな人よりも。
自分の頬を俺の頬に擦り付けるナマエが、あんまり幸せそうな顔しとるから。
俺はそっと、ぎゅっとナマエを抱きしめて。
「も、…すき、だよ、」
さっきから、二人揃ってそればっかりしか言うてへん。
「クリスマス、なのにね。特別なこと、何もしてないね、」
「こんだけ、好きって言うの、こんな特別な日やからやで、」
啄むように、キス、キス。
「ナマエ…ナマエ、もっと言うて。」
(そんでもっと触って。)
すき。好き。
愛してる。あいしてる。
こんなにも、こんなにも好きなのに。
素直になれない私たちは、こんな、クリスマスだからっていう理由を付けないと言えないんだ。
だけど。
言葉なんかじゃ、伝えきれない。
End.
多分私史上最高に甘い感じで書きました。
こういうのを甘夢って言うのでいいのか…な…
何の変哲もない日常だけど、そこにクリスマスっていう特別が加わった感じ。
2010.12.27
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