君に願いを
「あっ!また流れた!」
「ほんまや。キリがないなあ。こんだけ流れるの見たんは初めてや。」
本日、日本列島では流星群の極大日を迎えています。
ずっと見上げてるとちょっと首が痛い。
だけど、見上げた分だけ流れてくる。
「すごい!ねえ侑士、何お願いした?」
「そんなん、迷信やって。そもそも流れる間に3回願い事繰り返すとか、無理に決まっとるやん。」
星空を見上げたまま、侑士は冷静に回答。
「ひどー!」
そう言ったら、侑士は星空から私に目を移して。
「アホ。自分の彼女の願い事ぐらい、俺に叶えさせてや。」
う、わー!絶対今私一瞬で顔赤くなった!夜でよかった!
「で、自分何お願いしたん?」
じいっと見つめられて、更に赤面。あんなこといった後で聞くかなあ!
「何や、そないに恥ずかしいことでも願ったんか?」
ああもう意地悪だなあ。
…けどそういうとこも含めて好きなんだよね。
「……侑士と、いつまでも一緒にいれますように。」
「ベタやなあ。」
そう言って、侑士は私の頭をなでた。
そうされるの好き。
「いいじゃん、ほんとのことだもん。」
「ほんなら、その願い事きっちり叶えたるわ。任しとき。」
「……うん、」
かっこよく笑った侑士に抱きついた。
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