泰虎は見なかった振りをして顔をそむけ、雨竜は大きな溜息を吐きだし眼鏡を持ち上げた。

「案外、うちの親父といい勝負かも」
 亡き妻に未だ想いをささげまくっている一心を思い出し、思わず呟いた一護でした。


 手際よく宿屋に入った春水に、七緒は呆れた溜息しかでなかった。
「全く…恥ずかしいったら…」
「んふふ、だって夫婦みたいだって」
 春水はその一言がかなり嬉しそうだ。
「嫌ですよ、義骸で…」
「ん?義骸から抜ければいいじゃない?」
「うう…」
 人目に触れない場所でなら、義骸から抜け出ても何ら問題はない。
「ほらほら七緒ちゃん」
 義骸からさっさと抜け出て七緒も引っ張り出す。
「もう…」
「抜けた後、着物が見れないのが残念だけれどね」
 二人とも何時もの死覇装姿だ。
 義骸を見えないように風呂場へと押し込め、春水は七緒を寝台へと押し倒した。

「…羽を伸ばすのではなかったのですか?」
「ん?」
 いそいそと死覇装を脱がす春水に、七緒が半ば諦めた口調で問いかける。
「どこか見て回りたい?」
「そうされるのかと思っておりましたが」
「…死神が、神社とかお寺を回るの?」
「……それは…」
 実際にお参りをしなくても、名所と呼ばれる神社仏閣には花木が有名な場所が多い。そちらを見て回ることでも十分楽しめるのではあるが。
 だが、春水が決めてしまったら覆りはしない。
「…仕方がないですね」
「そんな溜息を吐かないで、七緒ちゃん。たっぷり愛してあげるから…」
「あん…もう…」
 首筋に唇を這わせながらの宣言に七緒の体の力は抜けてしまっている。

 唇が首筋を辿りながら、左手が襟元を開けまろやかな膨らみを掌へと包み込む。
「ん…もう…」
 文句を呟く様子に春水は軽く眉を上げると、文句は言わさず喘がせようと大きく襟を開きまろやかな膨らみに吸いついた。
「ああん…ん、ふ…」
 舌の動きと合わせ指を動かし、両方の膨らみを同時に愛撫する。
「ん…あん…」
「んちゅ…今日は敏感みたいだね…?一護君たちと会ったからかな?」
 軽く歯を立てて様子を伺うと、七緒は目尻を赤くして睨み返した。
「場所も雰囲気も違うからです」
「ふぅん?」
「いい加減、私の事を知っていらしてもよろしいのでは?」
「ん?」
 七緒が睨むと春水は軽く首を傾げた。
「……私は、あなたと一緒にいるんですよ?何百年も隊長という位置に座している、あなたと」
「…ふふ、彼らは赤子みたいなものかな?」
「そう言うこと……でも、それを言ったら私も子供でしょうか?」
「そんなことはないよ。子供じゃこういう事ができないじゃない?」
 袴を器用に片手で解き、秘められた場所を指で探りだす。
「あんっ…あ」
 人間である彼らと死神である自分たちを同じ年として比べることなど不可能だ。

「ああっ、あっ、あ」
 指先で敏感な部分を撫で擦りながら、唇を重ねたり、まろやかな膨らみに吸いついたりする。

 やがて卑猥な水音が立ち始めると、春水は体を起こして袴を脱ぎ下帯を解いて七緒へと圧し掛かった。
「あああ…んふ…」
 気持ちよさそうな声を上げ春水を迎え入れる。

「ん〜七緒ちゃんの中気持ちいい…」
「あ…ん…急に…」
 何時もよりも性急に侵入されてしまい思わず口に出た。



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