テニスの王子様 | ナノ




小さい頃記憶のある内からずっとブン太と一緒だった。
遊ぶのもご飯食べるのもイタズラするのも怒られるのも、何をするときも一緒だった。
もちろんテニスを始めたのも。

それでも気がついたら私はブン太のことが好きになっていて、自覚が芽生えた時にはブン太のことを避けていた。
中学生だし、何でか恥ずかしかった。
でもテニスだけは辞めなかったし、ブン太と同じ立海にも進んだ。
立海でテニスをしているだけでブン太と繋がれてる気がしたから、私はそれだけで満足だった。

「もえーっ!練習行こ!」
「今行く!」

いつものようにチームメイトとテニスコートに向かおうとすると、監督に呼び止められ、なんでも各部の部長会議があるから行って来いともことだった。
去年3年生が引退した時に私が部長に選ばれた。
嬉しくて、それでも不安で…ブン太に1番に報告したかったけど辞めた。
代わりにお母さんがきっとブン太のお母さんに言ってそのままブン太の耳にも入っていると思っていた。

「神谷さん、久しぶりだね」
「幸村くん、そんなことないと思うけどね」

男子テニス部の部長の幸村くんとはこういった集まりの時に必ず顔を合わせるので自然と仲が良くなっていた。

「そういえば、神谷さんって丸井の幼馴染なんだって?」
「えっ、どうして…?」
「丸井が言ってたんだよ、世話の焼ける妹みたいな幼馴染がいるんだって」

ブン太が私の話を…?なんで?

「そっかぁ…」
「神谷ってさ、丸井のこと好きでしょ?」
「えっ!!!幸村くんっ!!何言ってるの!!?」

女子テニスーうるさいぞー。と司会をしていた先生に注意されて横では幸村くんが笑っていた。

「わかりやすいね」
「ち、違うって!ただの幼馴染だって!!」

ふーんっと凄く楽しそうな笑顔で言われ私の顔には熱が集中する、きっと顔が真っ赤だ。
そう思うと恥ずかしくなり下を向く。


「ねぇ、きっと丸井も神谷さんのこと好きだと思うよ」
「えっ…」
「同じ反応してたから」

じゃあね、と席を立つ幸村くん。
周りを見るといつの間にか話は終わっていたみたいで各々部活に向かっていた。



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