テニスの王子様 | ナノ




今朝から天気が悪く少し憂鬱になっていた。
どうせ雨だってテニス部は練習あるんだよねー、なんて思いつつ足取りの悪い道を歩く。
テニス部は強豪だから雨が降ったところで滅多に休みにはならない。
部長兼、私の彼氏の蔵には悪いけど、休みになればいいのに…なんて思ってる時点で彼女失格かな。

「もえ、今日放課後暇か?」

噂をすれば蔵に教室に入った所で声をかけられる。

「え、あー…うん。特に何もないよ…」

ほなデートしよか。と笑顔で言われ、練習は?と尋ねるとオサムちゃんがたまには休みーって言うてくれてん!と言われて私の気分はそれだけで上がってしまった。

大嫌いな数学も眠たくなる現国の授業もあっと言う間に感じた。
練習練習でデートするのは久しぶりだった。
どこに行こうかなー?と考えるだけですぐ時間が経ってくれるから気が付いたら放課後になっていた。

「もえ行くでー」

「あ、蔵!待ってよ!」

人ごみの中傘をさしながらだと少し歩きにくかったけど必死で蔵に着いて行っていた。
すると蔵がいきなり傘を閉じたのでどうしたのかと聞こうとする前に私の傘をヒョイっと奪って傘の中に入ってきた。

「こうした方がデートっぽいよな」

そういつもの笑顔で言ってくれ、うん!と言って相合傘をしたまま街を歩いた。



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