テニスの王子様 | ナノ




「な、なんで…」

「部活早く終わったんじゃよ。で、どうした」

「あ、あの…お母さんに頼まれて…」

ふーん、と近くに雅治が寄ってくる。嫌だ、来ないで…

「母さんまだ帰っとらんから家で待てば?」

そう言われてこのまま雅治にこの荷物だけ押し付けて帰ろうか悩んだけど、お母さんから伝言も頼まれていたので、しぶしぶ家に上がらせてもらった。

久しぶりの雅治の家に、久しぶりの雅治…。

「そういや、お前さんも立海じゃったの、どうじゃ、元気にやっとるんか?」

「まぁまぁ…かな」

クックックと喉を鳴らして笑って私の横に座ってきた。

「な、何…」

「俺のこと避けとるじゃろ?」

ニヤリと少し笑いながら雅治に顔を覗かれて、やっぱり綺麗な整った顔に少し心臓が高鳴ったのがわかった。

「さ、避けてない…よ」

「嘘じゃろ」

俺のこと騙そうなんてもえには無理じゃ。なんてまた笑われる。
昔からこうだった、いつも雅治は私のことからかってきて、遊ばれてしまう。いつものことだった。
こうやって話したのは本当にいつぶりなんだろうか…
よく見てみると背伸びたな…顔つきも大人になった。もう私の知らない雅治みたいだった。

「なんじゃ、人の顔そんなに見て」

「何も…」

「そうじゃ、お前さん覚えとるか知らんが、ガキん頃言ったこと覚えちょるか?」

子供の頃?私が覚えてるのは雅治にずっと一緒にいてくれるって言ってくれたことだけだった。
でもそんのこと彼が覚えてるはずない…

「なんのこと?私わかんないよ」

「俺がお前さんとずっと一緒にいてやるって言った話じゃよ」

え…どうして……貴方がそのこと覚えてるの?
そんなこと言ったくせに雅治は私から離れて行ったじゃない、知らない女の人と歩いてるのよく見かけたよ、見かける度に違う女の人と歩いてたの見たよ。
なのに、私にそれを言って…どうするの?また私のことバカにするの?



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