立海が負けた。
王者と言われ続けて、勝ちに執着して毎日毎日辛い練習をしてきたみんなが負けた。
幸村がいないとはいえ、全員全国区だと言える程の実力の持ち主なのに、青学に負けた。
それみ幸村の手術の時間にも間に合わなかった。
2つのショックが重なった私たちはその場で動けずにいた。
「もえ、みんなのこと頼んだよ」
ごめん幸村、私…今何も言ってあげれない。
同じクラスのブン太と仁王にマネージャーに誘われて、幸村に笑顔で迎えてもらって、初めは仕事全然できなくって真田に何回も怒られたっけな。
それでもみんなの役に立ちたくていっぱい考えてブン太や仁王にたくさんのこと教えてもらって、今年は最強だって言われてくたから…
まさかこんな所で負けてしまうなんて、誰が思ったのか。
そう思うと選手でもない私は涙が止まらなかった。
泣きたいのは私じゃないのに、誰よりも涙を流した。
「もえ…」
「ぶ、んたぁ…」
私が泣いてるのに気がついたのか私の彼氏、ブン太が目を真っ赤にして後ろに立っていた。
そうだ、泣いてる場合じゃないのに…
「泣くなよ」
「ご…めん」
「ちゃんと…全国で勝ってやるから…」
「え…」
「ちゃんと全国で勝って!みんなで勝つから!泣くなよぃ」
ブン太の後ろにはレギュラーのみんながいた。
みんなの顔は本気だった。
そうだね、終わってないもんね。
まだ全国で青学にリベンジできるもんね。
ゴシゴシと袖で涙を拭いてニカっと笑ってみせた。
「またちゃんとサポート頑張ります!だから…次は勝ってね!」
おう、とみんなが言ってくれた。
大丈夫、立海はもう負けたりしない、次は絶対に勝ってやるんだ。
「よし、みんな円陣だ、円になれ!」
真田にそう言われ私はその場で見守っていると、お前も来いって。と言われ円陣に入る。
「俺たちは王者ではなく、挑戦者だ!この借りは必ず返す!」
「「「「おうっ!」」」」
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