パチン、パチンと教室にはホッチキスと止める音だけが響く。
そんなに数もないしこれならすぐ終わるかな?と思いながらも黙々と作業を繰り返しているとポケットのケータイからピロンと音が鳴る。
お母さんからかな?と思い手を止め確認してみると蛍くんから作業終わったら練習見に来ない?と言うお誘いだったので、もうすぐ終わるからお邪魔でなければ…と返すと、待ってるね頑張って。とすぐ返事が来た。
蛍くんも待ってくれてるし、早く終わらさないと!と呟き作業に戻った。

こうやって練習見においでなんてすごく久しぶりな気がする。
蛍くんに用事があって見て帰れば?ってことはよくあったけど。


1時間くらいで全部止め終わってグッと背伸びを1回して纏め終わった資料を職員室に持って行くと丁度会議の休憩中の担任に会えた。

「あ、終わりましたよー」

「あぁ!神谷!助かったよー!サンキューな!」

これ今から教室に持って行こうとしてたんだよ!と買ったばかりのミルクティーを手渡された。
ありがとうございます!とお辞儀をして職員室を去った。
体育館に向かう足取りはとても軽かった。


体育館の前に着くといつものように練習している烏野バレー部。
澤村さんの指示の声や田中さんの元気な声、蛍くんの声は…聞こえない。笑

邪魔にならないようにコソっと外から練習を見ていると日向くんと目が合い、そっと手を振ると、あー!!月島の彼女の!!と大きな声で叫ばれる。
隣にいた影山くんにすごく睨まれてるのも気にせず大きく手を振り返してくれた。
あはは、結局邪魔しちゃった…かな。

「ゆい。」

「あ、蛍くん。ごめんね、邪魔しちゃったね…」

「いいよ、あいつがバカなだけだし…それより入れば?澤村さんもいいって言ってくれてるし」

そう言われ澤村さんの方を見るとニカっと笑顔を作ってくれたので、お邪魔します…と呟いて体育館に足を踏み入れた。






 

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