蛍くんの家に着いたのはいいが、扉の目の前で緊張して立ち止まっていた。

「ゆい?入らないの?」

「え、あ…うん、お邪魔します…」

こうやって誰かとまともに付き合うのも初めてな私はもちろん男の子の家に行くのも初めてで…緊張しすぎて心臓は少し痛かった。

家の中はとても綺麗に掃除されていて、蛍くんの部屋もとても綺麗だった。
蛍くんらしく無駄な物はなくシンプルな部屋だった。

「そんな気張らなくてもいいよ、僕まで緊張する」

そう言って頭を撫でてくれえるけど、私の心臓の音は中々収まってくれない。
それでも蛍くんは私の緊張をほぐそうとしてくれかたくさん話してくれた、話のほとんどはバレー部の話だったけど、知らない間に私の緊張はほぐれていて、自然と笑顔になっていた。

「あ、そうだ。ゆいちょっと後ろ向いて」

「え?いきなりどうしたの?」

「いいから」

そう言われたのでそっと後ろを向くと、音がしてもこっち見ないでね。なんて言われたので今から何が起きるのかな?なんて思ってると後ろでガサガサ音が聞こえてすごく気になったけど、大人しくそのまま待っていた。
すると首元に何か違和感が…

「見てもいいよ」

そう言われて首元を確認すると、ネックレスがついていた。

「蛍くん…これって?」

「さっきすごい欲しそうにしてたデショ。だから僕からのプレゼント。」

さっきのお店で見ていた気になっていた月のネックレスを蛍くんがこっそり買っていてくれたみたいで、今私の首元で輝いていた。

「うそ…すごい、嬉しい…」

「喜んでもらえたならよかった」

そう言って照れ隠しかのように私から視線を離した蛍くんに抱きついた。

「蛍くん…ありがとう……。本当に最高のプレゼント…」

「きっと、またしばらくこうやってゆっくりする時間無くなると思うから…」

そのままぎゅっと抱きしめながら蛍くんは続けた。

「部活ばっかでごめんね、でも時間できたら今日みたいに出かけようね」

いいよ、私はバレー頑張ってる蛍くんのことも大好きだから。
だからバレーばっかになったって何も思ったりしないよ。

「蛍くん、大好き…」

「僕もだよ」

そう言って蛍くんの唇がそっと私の唇に触れた。
今まで手を繋ぐこと以上のことはしたことなかったから驚きもあったけど、嬉しくて幸せな気持ちの方が大きかった。

へへへ、と笑うともう1回…と言ってまた私達はキスをした。


 

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