次の日朝目が覚めると黒尾くんがいたことに一瞬驚いたけど、自分が呼んだことを思い出してなんだかホッとした。

「黒尾くん、起きて…。今日練習ないの?」

起き上がって隣でぐっすり眠る黒尾くんをゆさゆさと揺らして起こそうとすると、んーっと身をよじらせて私のことを見ると腕を引っ張られて、黒尾くんの腕の中に収められた。


「ちょ、っと。黒尾くんっ…。」

「おはよう、恵…。」

寝起きからか、いつもより格段に低い声に私の胸は少しドキっとした。

「黒尾くんは甘えたなのかな…?」

ふふふっと笑って黒尾くんの腕から抜けていた。
このまま彼の腕の中にいたら何かいけない気がしたから。
むっとした顔で彼は私を見つめる。

本当に高校生なのか、彼の色気は半端じゃない。

「黒尾くん朝練はっ…!」

そう言って寝室を出ようとすると後ろから黒尾くんが抱きついてきた。
心臓がおかしいくらいにうるさい。

「今日は朝練も部活も…休み。」

「そっか…。」

今度は逃げられないように強くぎゅっと抱きしめられていたので、私はそのままうるさい心臓の音が黒尾くんに聞こえないか不安になりながらもそのまま黒尾くんの腕の中にいた。




「恵、今日デートしようよ。」

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