連絡先を教えた日から黒尾くんは毎日連絡をくれた。
おはようからおやすみまでずっと。
今日の衛輔のこととか、部活であったことをたくさん教えてくれて、黒尾くんからの連絡が毎日のたのしみになった。

そんなある日のLINE。

黒尾くん:恵さんって休みの日何してんすか?

恵:んー、定食屋の休みの日は友達のお店の手伝い行ってるよー。

黒尾くん:じゃあ休み無いんですか?

恵:うん…。色々事情あってねー。

黒尾くん:そうですか…。デートにでも誘おうかなって思ったんですけどね。


「えっ……。」

黒尾くんからいきなりのお誘い。
まぁ、休みの無い私には到底無理な話で、それでも少し驚いて既読を付けてしまったのに、返事に困った。

黒尾くんは確かに大人っぽいけど、衛輔と同じ高校生で弟にしか見えないことは確か。
そんな相手にデートに誘われそうになって、少し戸惑った。

しばらくケータイと睨めっこしていると、次は黒尾くんから電話がかかってきた。


「も、もしもし?黒尾くんどうしたの?」

『あっ…いや、その…さっきのLINE送って返事に困ってたんなら、すいません。』

「いや!そんなことないよ!むしろ嬉しかったし!」

『本当ですか!じゃあ、もし休みあったりしたら…デートしてくれませんか?』

「ふふふ、私でよかったら喜んで。」

電話越しでよっしゃ。なんて言って喜んでくれる黒尾くん。
衛輔よりも大人びていて、対応も全然違う。


そのあともしばらく黒尾くんとの会話が続き、時間を忘れてしゃべっていた。

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