「ねぇ、黒尾くん。」

「あー?どうした?」

「私…怖いくらい幸せ…。」

「そりゃあよかった。」


私と黒尾くんが休みの日はこうやって私の家に来てゆっくりするのが日課になってる。
黒尾くんは思ってたより甘えたで、いつもくっついて来て可愛い。なんてこの前言ったら拗ねたんだけどねー。
それでも可愛いのは可愛い。


「てかよー、いつまで名字呼び?」

「えっ…」

「いい加減名前で呼んでほしいんですけどー。」

後ろから抱きついてきていた黒尾くんが私の頭に顎を乗せながらムスっとして言ってきた。

「夜久は名前で呼んでんのに俺はいつまでも"黒尾くん"ってどーなの?」

「ふふふ、ヤキモチ?」

「っ…うっせーよ……。」

こんな時ふっと年下だったことを思い出していつも笑ってしまう。
本人にはバレないように。

「て、鉄郎くん。」

後ろを振り向いて黒尾…鉄郎くんの顔を見て名前を呼んでみると鉄郎くんの顔が真っ赤に染まっていって笑ってくれた。

「すっげー嬉しい、愛してるぜ恵」

そう言って鉄郎くんはそっと私にキスをしてくれた。





こんな幸せでいいのだろうか。とか
いつか崩れてしまうんじゃないか。とか
いろんなこと考えたりもしたけど、私は今が幸せだから何も考えなくなった。
地獄だと思ってた日々、衛輔と再開して鉄郎くんと出会って仲良くなれて、こうやって付き合ったりできるなんて思ってもみなかった。

人生なんて何があるか本当にわからない。


鉄郎くん、これからも一緒にいてね。


愛してます、貴方だけを…。





FIN



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