きっと失望せれると思っていた。
なのに黒尾くんは気持ちは変わらないと言ってくれた。
何でここまで私のこと思ってくれるか正直わからなかった。

「どう、して…。」

「そら、惚れたモン負けってやつじゃねーの?」

「でも普通嫌でしょ?」

「嫌じゃねーわけないだろ。
俺が助けてやれたら1番良かったんだろうけど…俺には何もしてやれない。
だから何も言えねーよ。」

そう言った黒尾くんの顔はすごく悲しそうな顔をしていた。
どうして黒尾くんがそんなに悲しそうな顔をするの?
黒尾くんは何も悪くないじゃない。
全部私の問題なんだよ?
そう思うと知らない間に涙が出ていた。

そんな私を見てか、黒尾くんはギュッと抱きしめてくれた。

「俺さ…そんなことより恵が俺のこと好きって言ってくれたことの方が嬉しかった。」

「で、も…。」

「できたら仕事辞めてほしい。
でも恵が困るなら…それは言わねー。」


「なぁ、恵…俺と付き合ってよ。」

「っ!!!!」

「まだ高校生のクソガキかもしんねーけど…こうやって恵が辛い時傍にいることはできる。」

「でもっ!黒尾くんはそれで…いいの?」

バッと黒尾くんから離れて黒尾くんの目を見て真剣に聞いてみる。
まだ悲しそうな顔をしていたのを見て私がそうさせているんだと思うと、とても胸が痛んだ。


「俺は、お前のことが好きだから。」



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