「姉ちゃんは、どうしたいの?」

「私は…わからない。色々壁が大きくて…。」

「そっか。」

「もちろん…年のことだってそう。4つも上なんだよね、私。」

「それはさ、きっと関係ないと思うよ。
今なんて年の差婚なんていっぱいあるし、気持ちの問題。」

確かに衛輔の言う通りだ。
こうやって年齢を言い訳にしてたら…ダメだよね。
黒尾くんは年の差を感じないくらい大人っぽいし、関係…ないのかな。

「そう…だね。」

「で、壁って?」

衛輔には家庭の話はしていなかった。
唯一知ってるのはお母さんが倒れてしまって入院していることと、昔住んでいた家を引き払ったことだけだった。
これを衛輔に言ってしまって、何か変わってしまわないかとやはり考えてしまう。


「それは…詳しくは言えないけど、お母さんの入院のこととかあるし…私もお金のこととかで色々…あるからさ。」

「そっか、姉ちゃんが言いたくないなら俺は聞かないけど、それもきっと気持ちの問題だと思うな。
それで姉ちゃんが自分の気持ち押し殺しちゃっても、姉ちゃんにとってよくないし。」

「うん…。」

「我慢ばっかりして姉ちゃんきっと楽しくないんじゃねーの?」

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